映画とメンタルヘルス #1
今回から「映画とメンタルヘルス」と題して、おすすめ映画の中から公認心理師目線で捉えたメンタルヘルスケアのヒントをお伝えいたします。ぜひご覧ください。
おすすめの映画
2007年のアメリカ映画『幸せのレシピ』(原題: No Reservations)スコット・ヒックス監督作品。 マンハッタンのレストランで料理長を務めるケイト・アームストロング(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は完璧主義者で、ファンが付くほど料理の腕が立つ。しかし他人とのコミュニケーションに難があり、オーナーの命令でセラピーにも通わされているが、本人に自覚はなかった。そんな彼女が、副料理長として雇われたニコラス・パーマー(アーロン・エッカート)と出会ったことで、自分の気持ちに素直になり完璧主義からも解放されていく。
(Wikipedia「幸せのレシピ」より一部引用)
完璧主義とは
精神医学的には「白黒思考」とも言いますが、多くの方が自分は完璧主義者ではないだろうと思っているのではないでしょうか。映画の主人公ケイトも自分のことはよくわかっていなかったように、程度の差こそあれ自分の考え方の偏りがストレスを生んでいるかもしれません。 では、どんな人が完璧主義の傾向があるのかというと一例は次の通りです、当てはまる点はございませんか?
・仕事が(完璧にやってしまうので)なかなか終わらない人
・モノがちょっと壊れたり傷がついたりすると取り替えたくなる人
・問題が出てきそうなことには(完璧にできないから)取組めない人
・原因を(1つに特定するように)はっきりさせたい人
完璧主義をやめたい人のための治し方
完璧主義にはメリットもたくさんありますが、他人とのコミュニケーションが上手くいかなかったり、人に頼ることができず抱え込んでしんどくなったりと、メンタル不調に陥りやすい要素が多いのも事実です。治す方法は自分の「認知」を変えることなのですが、その認知を変えるコツをご紹介します。
それは、視野を広げること。ある物事だけに集中してしまい他とのかかわりやバランスがはかれなくなっているので、引いて全体像をみるようにして視野を広げると、 自分が思っている「普通(認知)」に気づきそれを見直すきっかけになったり、人と自分の違いを理解し他人に寛容になることができるでしょう。『完璧かどうか』ではなく『興味がもてるか』『楽しいかどうか』というように、気持ちを大事にした行動は幸福度を上げてくれるものです。